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初めて従業員を雇ったときにやるべきこと

初めて従業員を雇ったとき、何をすれば良いのですか?と質問を受けることがよくあります。

 

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従業員を雇ったときは、税務と労務の手続が必要になりますので押さえておきましょう。

 

税務

1.扶養控除申告書の提出【正社員・アルバイト共通】

扶養控除申告書は、雇った従業員があなたの会社を主の勤務先としている場合に、従業員に記入し提出してもらう書類です。

 

あくまで主の勤務先にのみ提出する書類なので、他に主の勤務先がある方で、あなたの会社には副業として勤務する場合には必要ありません。

 

なぜ、扶養控除申告書の提出が必要かというと、従業員の給料にかかる税金の計算に必要だからです。

 

あなたの会社は、従業員の税金を給料から天引きして税務署に納めます。(源泉徴収

 

そして、扶養控除申告書の提出がない従業員は税務上、「乙欄」と言って、通常の税金よりも高い税金を天引きしなければいけないのです。

 

[手続名]給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|源泉所得税関係|国税庁

 

扶養控除申告書は、税務署などの役所に提出する書類ではなく、会社で保管しておく書類です。税務調査では必ずと言っていいほど確認される書類なので大切に保管しておきましょう。

 

2.前職で発行された源泉徴収票【正社員・アルバイト共通】

従業員に前職がある場合は、前職で発行された源泉徴収票が必要になります。

これは、従業員の年末調整をするときに、前職での給料も含めて税金を計算する必要があるからです。

 

そのため、源泉徴収票が必要なのは、その年(1月~12月)に前職を退職して、あなたの会社に入社した場合のみです。前職がある人には何が何でも源泉徴収票を持ってこい、というわけではないのです。

 

たとえば、平成28年3月に前職を退職して平成28年5月にあなたの会社に入社した場合は源泉徴収票が必要になりますが、平成27年11月に前職を退職して平成28年4月にあなたの会社に入社した場合は必要ありません。

 

労務

1.労災保険の手続【正社員・アルバイト共通】

 従業員を1人でも雇うと、その従業員がアルバイトや日雇いであっても、法律上、当然に労災保険に加入することになります。

 

この「法律上当然に」という言葉は押さえておきましょう。

従業員を雇ったという事実があれば、特に手続などをしなくても、あなたの会社は労災保険に加入したことになります。

 

ただし、従業員を雇ったかどうか役所は知る由もないので、あなたの会社に、労災保険に加入した(従業員を雇った)ら届け出を出しなさい、ということになっています。

 

保険関係成立届、労働保険料概算申告書を労働基準監督署に提出

労災保険に加入しました~」と役所に届け出るのが「保険関係成立届」。

事業所の所在地を管轄する労働基準監督署に提出します。

提出期限:労災保険の成立から10日以内

 

そして、労災保険に加入すると、保険料を概算で前払いすることになります。

労災の保険料は、会社が全額負担し、従業員の給料(見込み額)に業種ごとの料率をかけて計算します。

この保険料は自分で計算して、労働保険料概算申告書を監督署に提出する必要があります。

 

雇用保険にも加入する場合は、労災保険料雇用保険料を合計した金額を申告、納付します。

提出、納付期限:労災保険の成立から50日以内

 

どちらの書類も、最寄りの労働基準監督署でもらうことができます。

 

2.雇用保険の手続【正社員・アルバイト(労働時間による)共通】

 雇用保険はすべての従業員が対象になるわけではありません。

原則、週の所定労働時間が20時間以上、31日以上継続雇用される見込みのある従業員が対象です。

 

正社員として雇用する場合は、ほとんどの方は雇用保険の対象になると思いますが、パートやアルバイトの場合は、労働時間が短い場合などは対象にならないこともあるので、従業員ごとに雇用保険加入者となるか判断しなれければなりません。

 

雇用保険適用事業所設置届、雇用保険被保険者資格取得届をハローワークに提出

労働基準監督署に「保険関係成立届」を提出後、ハローワークに「保険関係成立届」の控えと一緒に「雇用保険適用事業所設置届」を提出します。

提出期限:雇用保険の成立から10日以内

 

次に、従業員で雇用保険に加入する必要がある人ごとに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。前職で雇用保険に加入していたことがある人からは、「雇用保険被保険者証」を提出してもらい、届に被保険者番号を記入します。

提出期限:入社日の翌月10日まで

 

必要書類は最寄りのハローワークで入手するか、ネットでダウンロードます。

ハローワークインターネットサービス - 帳票一覧

 

3.社会保険の手続【正社員・アルバイト(労働日数・時間による)共通】

社会保険は法人の場合、法律上当然に加入しますが、個人事業の場合は、一部の業種を除いて従業員が5人未満であれば加入義務はありません。

 

なので、社会保険の手続が必要なのは会社等の法人組織、従業員が5人以上の規模の事業所だと考えてください。

 

また、雇用保険と同じようにすべての従業員が社会保険に加入するわけではありませんので、これも会社が加入義務があるか判断した上で届出が必要です。

短時間労働者(月の労働日数と週の労働時間(残業時間も含む)がフルタイムの4分の3未満の場合)は社会保険の加入対象になりません。

 

被保険者資格取得届、被扶養者異動届を年金事務所(事務センター)に提出

従業員の年金手帳で、基礎年金番号を確認し「被保険者資格取得届」を年金事務所に提出します。

また、従業員に扶養家族がいる場合は収入等を確認し「被扶養者異動届」を同じく年金事務所に提出します。

提出期限:入社日から5日以内

 

提出書類は最寄りの年金事務所で入手するか、ネットでダウンロードします。

申請・届出様式|日本年金機構

 

マイナンバーも!

その他、これらの手続に付随して、従業員からマイナンバーを提供してもらう必要があります。

従業員にマーナンバーカード(写真あり)か通知カード(写真なし)を提出してもらいマイナンバーを確認します。

 

まとめ

従業員一人雇うのに、これだけのことをしなければいけないのか!と自分でも書きながら気が遠くなりそうになりました。

 

手続について詳しく知りたい方や委託したい方は、顧問税理士や社会保険労務士にお尋ねください。